マスコミの過熱報道が第三の事件を産む
岸田首相を狙った爆発事件に関し、今朝(4月19日)新聞各紙が一斉に容疑者の動機を報じた。
中でも私の地元のブロック紙では、一面トップに大見出しを載せ「選挙制度に不満か」「安倍元首相国葬も批判」と容疑者が大喜びする記事となっている。
もちろん事件の解明にはその動機も重要であり、その追求は必要なものではあるが、問題はその報じ方である。
安倍元首相暗殺事件の場合、事件当日に「山上容疑者が統一教会に恨み」との警察発表があり、以降 事件そのものの重大さや深刻さを忘れてしまったかのように、連日統一教会騒ぎが起こったが、この過熱報道を一番喜んでいたのは山上本人ではなかったであろうか。
山上は、この事件を起こすことによって、それまで自分の主張が全く顧みられなかった鬱屈した思いを、見事に全国ニュースに押し上げ、山上一家を苦しめた宗教団体の存在までを社会問題化させることに成功したのである。
そして当時この加熱報道を薄暗い部屋でじっと見ていたのが今回の木村容疑者ではなかったか。
「大物政治家を狙えば大きく報じられ、その報道に自分の主張を載せられる」今回の容疑者はそう考えて犯行に及んだ可能性が充分にある。
マスコミの皆さんにお願いしたい。
もうこれ以上、中身のない報道合戦をやめてもらいたい。
「動機が何であれ、言論の自由を脅かすようなテロ行為は断じて許せない」・・その通りである。
そう、「動機は何であれ」なのである。
動機など二の次であり、マスコミが追求し、二度とこのような事件を起こさせないために
・何故また起きてしまったのか
・警察は未然に防げなかったのか
・今後は街頭であっても所持品検
査をするべきなのか
・選挙演説は建物内に限定すべき
ではないのか
といったことを報道し問題提起することによって、関係者を本気で向き合わせることこそが必要なことなのではないのか。
今日からまた、ワイドショーで面白おかしくこの「動機」を取り上げて視聴率を上げることに躍起になっているテレビや新聞が目に浮かんでくる。
山上、木村に次ぐ第三の犯罪者による悲劇を繰り返さないためにも、報道の在り方を真剣に考えてほしいと切に願う。